20年以上高校入試対策指導をしてきた、私の経験値をもとにお伝えします。
高校入試の過去問は、教科ごとに目的を分け、解く→直す→再現するところまでやって初めて意味があります。特に国・数・英は「時間配分」、理・社は「傾向をつかむこと」に集中するのが合格への近道です。
教科別|過去問に取り組む年数の目安
国語・数学・英語
- 最低5年分、できれば10年分(最新の年度のものは残しておき、過去にさかのぼるように解く)
- 目的:時間配分・処理スピードの習得
(最新の年度のものは直前に残しておくのは出題傾向が本番と一番近い可能性があるから。過去にさかのぼるのは、計画どおりに進まず)
この3教科は毎年、
- 問題量が多い
- 本番で時間に追われやすい
という特徴があります。知識があっても時間切れで点を落とすケースが非常に多いため、過去問を使って時間感覚を体に覚えさせる必要があります。
理科・社会
- 最新1〜2年分でOK
- 目的:難易度・出題傾向の把握
理社は、
- 出題単元を毎年変えてくる
- 学習指導要領の改訂により、出題単元の影響を受けやすい
例えば、直近の改定(2017年告示・2021年度全面実施)が、入試傾向に本格的に反映され始めたのは、2021年度に中1だった学年が受験する「2024年度高校入試」からです。 - 時間に追われる可能性は他の3教科に比べると低い
ため、過去問を大量に解く効果は高くありません。演習量は他の問題集を優先し、過去問はあくまで傾向確認用と割り切るのが効率的です。
高校入試過去問のやり方|6つのポイント
① 国・数・英は「試験時間−5分」で解く
本番は、
- 緊張する
- 焦る
- 思考が止まる
この3点が必ず起こります。家で試験時間ギリギリでは、本番は確実に足りません。
あらかじめ5分短い制限時間で解くことで、
- 解く問題の取捨選択
- 時間配分の判断
が身につきます。
※理社は時間制限が目的ではありません。選択問題・記述問題・作図問題の割合、リード文の長さなどを確認し、解き終わり次第終了でOKです。
② 採点をし、必ず得点を記録する
解きっぱなしはNGです。
- 年度
- 教科
- 得点
を必ず記録します。点数の推移を見ることで、
- 実力が伸びているのか
- どの教科・分野が弱いのか
が客観的に見えるようになります。
③ 間違えた問題は印で管理する
- 間違えた直後:✖をつける
- 解説を読んでも理解できない:?に付け替える
「解説を読んだ=理解した」ではありません。?がついた問題は、必ず先生などに質問して解決します。
④ 次の日に、もう一度ひとりで解き直す
理解したつもりでも、
- 時間が経つと解けない
- 手が止まる
ことはよくあります。次の日に、何も見ずに再現できるかを確認します。
ここで解けなければ、まだ定着していません。
⑤ 直前の休日に本番形式で解く
入試直前の休日などを使い、
- 試験時間
- 休憩時間
を本番に合わせて、最新の入試過去問を解いてみます。
これにより、
- 1日の流れ
- 集中力の配分
まで含めた本番シミュレーションができます。
⑥ 入試前日は新しい問題を解かない
前日は、
- 新たな問題には手を出さない
- これまで解いた問題の復習に専念
が鉄則です。新しい問題は不安を増やすだけです。
これまで積み重ねてきたものを確認し、自信を整える日にします。
まとめ
- 国・数・英:5〜10年分で時間配分を鍛える
- 理・社:1〜2年分で傾向を把握する
- 解く→記録→直す→再現する、が基本
正しい手順で使えば、過去問は「実力チェック」ではなく、合格点を安定させるための最強教材になります。

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