「宿題を終えたらゲームを30分」「テストで90点以上取ったらお菓子を買ってあげる」。
子育ての中でつい使いたくなる“ご褒美作戦”。一時的に効果があるように思えますが、本当に子どものやる気を育てる方法なのでしょうか?今回は、心理学的に正しいモチベーションの育て方について解説します。
ご褒美作戦=外的動機づけ
ご褒美によるやる気は心理学で外的動機づけと呼ばれます。
「ご褒美が欲しいから頑張る」という仕組みは、短期的に集中力を高めやすく、苦手な課題の第一歩を踏み出すきっかけには有効です。
しかし、デメリットもあります。
- ご褒美がないとやらなくなる
- ご褒美の条件がどんどんエスカレートする
- 「やらされている」という気持ちが強まる
つまり、外的動機づけだけに頼ると、長期的な学習意欲につながらない危険があります。
内的動機づけをどう育てるか?
一方で、「わかると楽しい」「自分でできた!」という気持ちは内的動機づけです。
こちらは長期的に学習や挑戦を支える力になります。
内的動機づけを育てる工夫
- 小さな成功体験を積ませる
- 子ども自身に選択肢を与え、主体性を尊重する
- 達成感を味わえる声かけをする(「ここまでできたね!」)
こうした積み重ねが、「自分からやってみたい」という意欲につながります。
外的と内的のバランスが大切
大切なのは、外的動機づけと内的動機づけのバランスです。
ご褒美をきっかけに行動を始めさせ、その後は「できた喜び」や「学ぶ面白さ」へと意識を移していくことがポイントです。
たとえば:
- 「宿題を終えたらお菓子」ではなく「宿題が終わったから気持ちがスッキリしたね。じゃあおやつにしよう」と伝える。
- ご褒美を“物”よりも“経験”にする(親子で一緒に遊ぶ、外に出かけるなど)。
こうした工夫で、ご褒美が単なる報酬ではなく「努力を認める合図」となります。
やる気が育つ環境づくり
ご褒美以上に大切なのは、子どもが自然とやる気を持てる環境づくりです。
- 親が努力を言葉で認める
- 集中できる学習スペースを整える
- 失敗しても安心できる雰囲気をつくる
安心感と達成感がある環境の中で、子どもは少しずつ「やってみたい」という気持ちを育てていきます。
まとめ
ご褒美作戦は「アリかナシか」で分けるものではなく、使い方次第でプラスにもマイナスにもなる方法です。
短期的にはご褒美で背中を押しつつ、最終的には「自分からやりたい」という内的動機を育てていくことが、子どもの本当のモチベーションづくりにつながります。
👉 最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
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次週は『【2026年度】広島県公立高校 入学定員が決定!近年の推移と受験への活かし方 』をお届けしますので、楽しみに待っていてください。
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