子どもが学校からテストの答案を持ち帰ってきたとき、保護者としてどんな声をかけたらよいのか、悩んだことはありませんか?点数によっては、つい感情的に怒ってしまったり、「もっとできると思ったのに」とガッカリした表情を見せてしまったり…。でも実は、このタイミングでの保護者の一言が、子どもの“やる気”や“学ぶ姿勢”に大きく影響するのです。今回は、学習塾で多くのご家庭を見てきた中で感じた「テスト返却時に保護者がどう関わると、子どもが前向きに伸びていくのか」についてお話しします。
■ よくある反応、実はNGかも?
テストを見た瞬間、こんな言葉を口にしていませんか?
- 「なんでこんな点数なの?」
- 「前より下がってるじゃない」
- 「ここ、何回もやったところでしょ!」
一見すると当然の反応に思えますが、子どもにとっては「責められている」「認めてもらえなかった」と感じるきっかけになることも。
それが続くと、テストを見せるのをためらったり、勉強へのモチベーションが下がってしまう……という悪循環に陥ることがあります。
■ 子どもが前向きになる、理想的な関わり方の手順
① まずは「おつかれさま」を伝える
テストは、子どもにとってもプレッシャーのかかる場面です。
点数にかかわらず「頑張ってきたね」「おつかれさま」と声をかけることで、安心感が生まれます。
② 成長したところを見つけて褒める
ついできていないところを指摘しがちですが、まずはできている部分に注目して、具体的に褒めましょう。
たとえば、「ミスが減っている」「時間内に終えられた」「計算が丁寧になってきた」など、点数だけでは見えない“成長”に気づいて伝えてあげることで、子どもは「見てもらえている」と実感できます。
③ 子ども自身から問題点と改善案を引き出す
②で心が開いてきたタイミングで、「あなたはこの結果についてどう思っているの?」と尋ね、子どもの話に耳を傾けてみてください。
自然と自己分析を始めることが多くなります。
「どこを間違えたか」よりも、「どんなふうに考えたのか?」を一緒に振り返り、キャッチボールをしながら子ども自身に気づかせることが大切です。
④ 次の目標を一緒に考える
「じゃあ次はどうしようか?」「今回の間違いを活かすと、次はもっと良くなりそうだね」など、次への“小さな目標”を一緒に考えることで、自然と前向きな気持ちが育まれます。
■ 実際にあったエピソードから
塾の保護者懇談会をきっかけに、保護者の関わり方が変わり、その結果としてお子さんの学習姿勢が大きく改善したエピソードをご紹介します。
中学3年生から担当したある男の子は、当初やる気をまったく感じさせない状況でした。
保護者懇談会でお母さまとお話しする中で、強い不安からお子さんに過剰に干渉してしまっている印象を受けました。
私がお伝えしたのは、まず「お子さんの性格を踏まえて、信じることの大切さ」。
そして、今回ご紹介したような具体的な声かけのポイントについてもお話しました。
そのお母さまが「わが子を信じ、結果よりも頑張っているところを認める」声かけに切り替えてから、本人の表情や勉強への姿勢がみるみる変化。
最終的には、付き合う友達(だらだら遊ぶタイプ→自習室で一緒に頑張る仲間)も変わり、保護者・本人ともに「無理だろう」と思っていた人気高校(志願倍率約1.8倍)に見事合格を果たしました。
■ まとめ
テストの結果は「成長の途中経過」。
それをどう受け止め、どんな声をかけるかによって、子どもの“伸びる力”は大きく変わってきます。
ぜひ、点数だけに一喜一憂するのではなく、
「頑張った過程」や「これからの目標」に目を向けて、一緒に前向きに進んでいける関わり方を意識してみてくださいね。
🔜 次回予告
次回は「模試や実力テストの成績表の見方と声かけのポイント」について書いてみたいと思います。
まだブログを始めたばかりですが、しばらくは毎週木曜日の9時に投稿を続けていく予定ですので温かく見守ってくださいね。ご質問・ご感想などもお待ちしております😊
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